ささめき
ずっと一緒にいるくせに好きの一言も何も言わない私に愛想を尽かしたのかもしれない。女の子のほうがおませなものだから。年賀状くらいくれてもよかったのにと今でも思う。もしかしたら引っ越しする前に私に会いに来たのかもしれない。でも私はいなかった。繊細で臆病なところもあった子だから私が旅行中なのを無視されていると思って連絡する勇気を失ったのかもしれない。旅行に行くのは私も突然知らされたくらいで誰にも友達には告げていなかった。何故か昔のことを思い出した。あの人は今もどこかで同じ空を見ているだろうか。
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