危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
「そんなんじゃないよ」


“親孝行”って事にしておけばよいものを、なぜか私は心の内を涼君に明かそうと思った。今まで誰にも言った事のない、胸の内を……


「私には勉強以外、何の取り柄もないから、もしこれに失敗したら、存在価値が無くなるのよ」


少しの沈黙の後、涼君が放った言葉は、


「一つでも、取り柄があるだけいいんじゃねえの?」

というものだった。


私はそれを聞いて、なぜ涼君に胸の内を明かす気になったのか解った気がした。


涼君と私って、似ている?
どこがどうかは分からないけど。


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