危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
「それはどういう意味?」


「兄貴に近付きたくて、俺を利用してるのかって事だよ」


「それは……」


とっさに純ちゃんが言った“プリンスにお近付きになれるといいね”という言葉を思い出し、私は口ごもってしまった。


「なんだ、図星かよ?」


「ち、違うわよ。そんな事全然考えてないわ」


「ほんとか?」


「うん」


「じゃあ、金か?」


「違うわ」


「じゃあ、何なんだよ? なんで頑張るんだよ?」


「父のためよ」


「おやじさん? ああ、あんたのおやじさんは俺のおやじの部下で、おやじに頼まれたんだったな?」


私がコクンと頷くと、


「親孝行なんだな」


と涼君は呟いた。


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