危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
「それは……」


「プリンスでしょ? 来生章さんとしたんでしょ? 綾ちゃん、すごいじゃない!」


勝手に章さんと決め付け、ハイテンションで目をキラキラさせる純ちゃんに向かい、私は小さく首を横に振った。


「え、プリンスじゃないの? じゃあ、涼君? 涼君に襲われたのね? だから危ないって言ったのに!」


「ち、違うよ。昨日は襲われたんじゃないの」


「“昨日は”?」


しまった……


「という事は、やっぱり最初の日に何かあったんでしょ?」


「うん、じつは……」


私は観念して、初日と昨日の事を純ちゃんに話した。涼がわざと悪い成績を取っている事も。


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