Glacial HEART [短編]
「おはよ。畔上くんね?これからよろしく。」
いつもの営業挨拶。
この言葉、もう飽きるくらい言ってきた。
「なんで名字なの〜?湊都でいいよ!俺も綺夜って呼んでいい?」
会って初日で名前ね〜。
ま、どーでもいっか。
「うん。いいよ。じゃあ私も湊都って呼ぶ。」
湊都はにこって笑ってうなずいた。
…ほんとかわいい顔してるな〜
「ねぇねぇ♪綺夜はさ、北海道から来たんでしょ〜?
いいなあ〜♪でも全然なまってないよね?」
あんまり詮索されたくないけど…。
「…あぁ、私…北海道には8ヶ月しかいなかったし…。
そのまえには東京に住んでたから。」
「へ〜!そうなんだ〜!
やっぱりあっちって、雪たくさん降るでしょ?楽しそ〜♪」
そう言って、小さい子みたいに、目をキラキラさせてたから、思わず笑っちゃって。
「あはは…そんなに雪好きなの?」
笑顔でそう、答えてしまった。
キーンコーンカーンコーン…
「―っあ!チャイムだ!教科書取って来なきゃ!」
湊都は急いで教室から出てく。
なんか…様子おかしくなかった?
まぁ気にしないけどね。