あの夏を生きた君へ




でも、彼は見えなくなっているだけで、すぐ近くにいるんだろう。

だから“消えてしまう”より“見えなくなってしまった”が正しいのだ。



言いたいことだけ言って見えなくなるなんて…ズルい。

手伝わなくていい、とか。


彼のためじゃない。
ばあちゃんのためにやってるんだ。



あたしは腹立たしくて堪らなかった。

ついでに、酷くショックだった。


急に突き放されたような気になったからだ。




あームカつく。


心配してるとかしないとか、そんなの余計なお世話だ。



チッ。
あたしは舌打ちをした。

今は見えない彼が、聞いているかもしれない。






どうして、いつもこうなんだろう。


あたしは、いつも腹が立っている。














< 107 / 287 >

この作品をシェア

pagetop