そらぐみ

確かに一人の生徒にばかり執着するのは教師として失格、絶対にあってはならないこと。

でも逆に言えば、一人の生徒のことすら理解できない今の自分に教師が勤まるのだろうか。


上野は考えた。

答えは否。


今できることは知ること。

瀬野を知り、2年1組に対して覚えた違和感の正体を知る。

それができなければ教師を続ける資格はない。


それほどまでに上野の思いは強かった。


どれくらい時間が経っただろう。

頭を下げ続ける上野、俯く松本。

止まっているかのようにゆっくりと流れる時の中、松本は静かに口を開いた。

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