そらぐみ

その瞳には、醜く歪む生徒たちの笑顔さえ輝いて見えた。


あのときに気づいていれば……いや、気づいていたとしても何も変わらなかっただろう。


何度もそう言って自分を納得させるようになるのは、入学式から約半年が経つ頃だった。



最近、教室の中の空気がおかしい。

気づいたのは2、3日前のこと。授業を進める松本の目にそれは異様に映った。

生徒のほとんどがニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべている。

それに相反するように、一人の女子生徒は俯き震えている。


まさか自分のクラスで……。

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