そらぐみ

その日の夜、松本の携帯に一本の電話が入った。

疲れていた松本は不機嫌そうに携帯を手に取り、乱暴に通話ボタンを押した。


「松本由紀先生の携帯で間違いないでしょうか。」


受話器から漏れたのは、やはり親子だと思わせるような弱々しく儚い声だった。



凍える寒さの中、空気は透き通り星がよく見える夜だった。


口から溢れた真っ白な息がキラキラと輝いて、そして星になった。






その夜、工藤風子が学校の屋上から飛び降り、自殺した。

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