Addict -中毒-
啓人はギムレット一杯だけを空にして、チェックの素振り。
「下、行く?」
当然のように聞いてきて、
「行く」
私も同じように床を指差し。
私たちはまるで恋人同士のように腕を絡み合わせ、
その下にある客室へ当然のことながら入った。
久しぶりに触れる啓人の肌はやっぱりすべすべしていて、さわり心地が良かった。
会わなかったブランクを埋める意味でか、いつもより私は積極的に啓人に抱かれた。
遊んでるだけある、女の悦ばし方を知っている。
けど
どこが性感帯なのかなんて一人一人違うはずなのに、彼は無駄もなく私の肌に触れる。
女一人一人のポイントを抑えてるのかしら。
勉強熱心な坊やだこと。
なかば感心、なかば呆れながら―――でも、若い肉体は、その無駄な考えすら消し去るように、私の体を震え上がるほどにあっけなく快感へと誘う。
乱れた息を整えるように肩で息をしていると、
啓人は情事の後のシーツの上に散かっている、金地に紫色の蝶の柄が入った帯を手にとりしげしげ。
「和服……萌えるな」
「本当ね。啓人、いつもより激しかったわ」
実際、彼は酔っているはずなのに、いつもよりよく動いたし執拗なほどに攻め立てた。
私は啓人の首に腕を回し、彼を引っ張るようにベッドに戻すと、
「たまにはピロートークでもしましょ?」
そう言って彼の腕の中に潜り込んだ。
爽やかな香水の香りに混じって、清々しい汗の匂いに包まれて、
私の体も満ち足りていた。