記憶の中で… 2


俺、おじさんやおばさんに何て言い訳したらいいんだ。

おばさんはあんなに俺たちの事、気にしてたのに。

それにユイちゃんにだって、良い影響の筈がない。

ユキ、何でもっと早くに相談してくれなかったんだ。

…相談?もっと早くに相談されてれば、どうにかなったのか?

結果は同じじゃないか。ユキを責めるのはおかしいぞナツキ。お前が悪いんだろ。たった一回の気の緩みが招いた事だ。

あの時、昼と夜と朝にも抱いた。欲しくて、欲しくて、ずっと我慢して手に入れたから、気持ちが舞い上がってた。

結局、俺は自分の事ばかり考えていて、ユキの事は何にも考えてなかった。

これがもし、普通の妊娠だったら?ユキに子どもを産んでくれなんて言えるのか?

まだ高校生でそんな事できる訳ないじゃないか。

一番傷ついたのはユキだ。俺は一番大切な人を自分で傷つけてしまったんだ。なのに『一生俺の傍にいろ。』だなんて…可笑しくて笑える。

こんな俺、ユキの傍にいる資格なんてないよ。

何が『正しい事を見極められる大人になりたい。』…だ。間違った事ばっかりして…。

ユキ、ごめんな。




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