記憶の中で… 2

いなくなったナツキ《ユキside》



コンコン…

「ユキ?今ね、先生の話聞いてきたの。夏休みの間に退院できそうだって。大事にならずに良かったわ。」

「あれ?お母さん、ナツキは?」

「ああ、ユイを一人にして来たから帰ってもらったの。

そんな事よりあなた、これは二人の合意の上?それとも無理やり?」

「心配かけてごめんなさい。こんな事になるなんて思わなかった。

ナツキは…私が嫌がる事は絶対にしないよ。凄く大切にしてくれてた。」

「大切?その結果がこれなの?こんなの大切にしてるなんて言わないわ。欲求に駆られた子どものする事よ。」

「…お母さん…酷い。そんな言い方しなくても…。」

「……。」

「…この病院、完全看護だから泊まらなくてもいいんだよ。だから、もう帰って?私は大丈夫だから。

それから、ナツキに伝えておいて。明日必ず来てって。」

「分かったわ。それじゃ帰るわね。ゆっくり休むのよ。」

…パタン




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