記憶の中で… 2


お昼休みになって二人がやって来た。

シオリちゃんは私を見ると、「ユキちゃん!」と抱きついてきた。ユウキ君は、「よう、元気そうじゃん。」と言った。

段々ナツキと似てくるユウキ君に少しドキッとした。

「あのね、今日は二人に聞きたい事があって来たの。」

「俺たちも聞きたい事、あるんだ。」

「私に分かる事なら…。先ずは私の質問に答えてくれる?どこに引っ越したの?」

「学校を挟んで前の家とは反対方向。」

「そうなんだ。じゃあナツキはどこの学校に行ってるの?」

「「……。」」

二人とも口をつぐんだ。

「どうしたの?」

「…なんでナツ兄は帰って来たの?」

「……。」

「そりゃ、帰って来て嬉しかったけど…でも…。」

「どうしたの?」




< 84 / 121 >

この作品をシェア

pagetop