今夜も美味しいランデブー

「えっと、ホラ、月が。
すごく、うん」

アタシは半月を指差して焦って答える。

どうしよう、
アタシの焦った顔、
バレてるんじゃないだろうか。

そう思ったら彼の顔を見ることができなかった。


「うん、そやな、キレイや。
半月でもここまで輝いてるって珍しいよな?」


「…うん」

夜空を見上げることなくアタシは答える。



こういうのって…。

なんかいいなあ、
ずっとこうしていられたらいいな。


一緒に。








< 183 / 293 >

この作品をシェア

pagetop