ラヴァーズ
私の目の前には、一人の少年がいた。

ここは私の家の玄関で、そして母さんと父さんの間でニコニコと笑っているのは、………

「…しっ、しにっしにがっぁあ」

私の吃りまくった言葉は、なぜか棚から足に落ちてきた置物によって遮られた。棚の奥においてあった猫の置物ちょっとブロンズ風いたい、悶えながら私は三人を見上げた。

「この子は井川夏夢くんだ。私の友人の子でね、事情があってしばらく預かることになった」

父さんの言葉のあとに、井川夏夢くんという、さっき出会ったばかりの少年が、にっこりとわらって

「よろしくお願いします、爽夏さん」

「………よ、よろしく」

死神の少年が、家に来ました。








「……監視って…こういうこと…」

まさか、ストーカー見たいに私のこと見守るような監視かと思っていた。しかし、まさかの間近で見守るとは…。

夏休みも終盤にかかり、宿題もあとわずかでおわる。登校日の日に答えをもらったワークの丸つけをして、苦手な教科を復習する。まぁ、終盤といっても盆休みの後半だ。盆休みに学校があるなんてバカらしいが。

もうすぐで、彼に…会える。

「爽夏、夏夢くんと一緒にスーパーにお使いにいって」

「……………え?」

目が点。どうして、夏夢くんとかいう死神さんといくことが条件なわけ?

「町を案内してあげて。知ってなかったら色々と不便でしょう?」

「え、あ、…はい」

わかりました。

そう頷いてにこにこ笑っている彼をよんだ。

「な、夏夢くん?いこうか」

「うん」









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