香桜~かおりざくら~
あ!!

「ねぇ!ちょっと、あんた!
理菜になんか言ったんでしょ!?」
「…え?」
「『え?』じゃない!!」

あの恐ろしい理菜にぃぃ!

「りな…ってダレ?」

ガクッ
そっからかい!

「下川理菜!」
「…俺、なんか言った?」
「言った!もう、理菜すっごい怒ってたんだから!」
「しらねーし…んなの。」

あ…
スネた顔…かわい…
じゃ なくて!

「理菜に、興味ないとか言ったんでしょ!?」
「あ~…言った…け?」
「言った!」
「別に…良いんじゃない?僕、嫌われても平気だし」
「で、でもぉ…」

だって…なんでか分かんないけど
あんたの事
同電波のあんたの事
悪く思われるのいやなんだもん…

「何?なんでそんなに
りなって奴の事気にすんの?」

ジロッ
って嫌そうな目で私を見る。

ドクンッ

怖い…
怒ってる…?

「だって、あの子はクラスのリーダーでしょ?そんで、怖いし逆らったら皆に無視される可能性大でしょ?穏便にするのが一番…で…しょ…?」

どんどん声が小さくなっていく

「俺はそんなの気にしない。あんたもそうだと思ってたんだけど?」

僕 じゃなくて 俺 。

木斗の気持ちが伝わってきた。

お前は同電波じゃない。

って。

「えっと…」

どうしよう…
どうしよう…
どうしよう…

謝ろう…!

「あ…の…」

謝罪の言葉を言い出す前に
木斗はその場を立ち去った。

っ!!
嫌われた…

「ごめ…ん…」

立ち去ったあとの木斗の後ろ姿に誤った。





< 9 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop