* 角砂糖 と 恋 *
「俺だよ、俺。宏樹!」
「ひろ‥ああ!宏樹!?」
宏樹は実家が近所の男の子。
同い年で小さい頃よく遊んだ。
「でもなんでここに???」
「たまたまだよ〜たまたま!」
「もっと早く話しかけてよ〜」
「気づくの待ってたんだよ(笑)」
「ひどーっ」
「あ、俺行かなきゃなんだ。
また今度ゆっくり話そうな」
「うん、ばいばーい」
「ばいばいっ」
大きく手を振って
宏樹は行ってしまった。
「まさか宏樹がいるとは‥♪」
久しぶりの再会に心が躍る。
「(さあ、私もトイレトイレ)」
あの人の事なんて忘れて
少しいい気分でトイレへ向かった。
――‥
「‥‥‥‥」
「どうしたの?彰吾ぉ」
美人系の女の子が
美男子に話しかける。
「ん?なんでも‥」
「何?あの子の事みて‥」
「なんでもないよ」
「ふぅん。でさ、今日
デートしようよぉ」
「無理だってば。
俺には忘れられない子いるからっ」
「‥いつもそればっかぁ。」
――‥
あの人が私を見てたなんて
私は全然気づいていなかった。