* 角砂糖 と 恋 *



もし、あの彰吾なら、
もう一度、彰吾に恋したことになって

本当に、軌跡になるのにな。


そしてまた帰りの時間。

同じように校門で宏樹を待つ。

また彰吾さんに
会えるかもしれない、なんて
ちょっと期待してたりして。


「あ、唯だー」


そして、私の期待通り
彰吾さんは現れてくれた。


「あ、彰吾、さん、?」

「おう、唯今時間ある?」

「あー友達来るまでは‥」

「そっか‥じゃあさ今日メールして?」

「メール?分かった!」

「あのさ、俺‥」


「唯、お待たせっ‥あ‥」


「‥‥俺行くね、、」


彰吾さんは何か言いかけたけど
宏樹が来ると同時に行ってしまった。


「ごめ‥邪魔しちゃった?(汗)」

「うん、かなり」

「うわっごめん本当ごめん!」

「いいよ、帰ろっ」


メールで聞こう。
彰吾さんが言いかけた事も
私が聞けなかった事も。


「‥告白、したん?あの人に」

「ううん、話してただけだよ」

「そっか‥‥あのさ、
 今言わないと後悔しそうだから
 言っとくけど、」

「うん?」



「俺の好きな人さ、唯なんだよ」



ふたりきりの帰り道。

思いもよらない言葉だった。



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