朝が待てなくて

「それで屈折してるんだ、大淀って。何か冷めちゃってるもんね」


とわたしはうなずいた。


「でしょ? でもまぁ、女子はそれでも全然めげずに食らいついて行くんだけどね。けどホントはあいつ、ブランドなんて背負わなくても顔も頭も相当いいのにさ…。ひねくれたりしたらもったいない」




何だか残念そうにつぶやくミャンマーに、思わず訊いちゃった。


「ミャンマーも大淀のことが好きなの?」


「え、わたしは…もっと明るいヤツのがいいなぁ」




「塩崎みたいな、ね?」




サホリンがぽそっと言うと、ミャンマーの屈託のない笑顔が赤く染まった。


「え、わかる?」


塩崎というのは、大淀とツルんでるやたら明るい男子で、我が1-Cのムードメーカーだ。


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