朝が待てなくて

心臓がドクドクと鳴り出していた。


やっぱ樹と一緒に行ったんだろうか?


なんでそんな大事なこと、きちんと確認しておかなかったんだろう?


わたしボーッとしていて、雫ちゃんはつまんなくなってどっか行ってしまったとしたら?


プールサイドに雫ちゃんの浮輪が放置されていた。


思わず隣の大きなプールへと走る。


もしも誰かとぶつかってこっちに落ちちゃったりしたら、背なんか立たないのに。


ううん、まだわかんなくて自分から入っちゃうかも知れない。




「し、雫ちゃん…!」

「雫ちゃんっ!」



声に出して呼びながら、手当たり次第に探し回る。


プールサイドをあちこち場所を変え、プールの中を覗き込んだりした。


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