朝が待てなくて

「別に面白がってるわけじゃなくて」


「?」


「…お前が驚いたり喜んだりすると、何か幸せな気持ちになる」


そう樹は言った。





「……」


「……変なこと言った、か?」


「ま、まさか! 嬉しいよ」


嬉しいけど、そんなにいいリアクションをとれるのか自信はない。


樹が思うほどわたしは子供じゃないもん。


梨の大きさに感心はするけれど、そんなことに目を輝かせるよりも、樹の女性問題の方が重要だったりする。





それでも樹がわたしのことをそんなふうに見ていてくれるんなら


わたしはいつも無邪気に驚いたり喜んだりしていたいよ…。


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