朝が待てなくて

でもそれは


わたしが気にするから言わないだけで、訊いたらきっと話してくれるとは思うんだ。


だけど、わたしも訊かない。

美里さんの話題は避けている。




大変な目に合っているあの人のために、樹が動いていることは知ってるし、そうしてあげるべきだと思ってるもん。


だけど聞いてしまうと、どーしても気になっちゃうし、穏やかではいられなくなるから。




嫉妬して
取り乱して


彼の言葉を何も信じられなくなって……


熱中症の樹を真夏の海に連れ出した。




樹はそのことをちっとも責めなかったね?


でも、もうああいうのは、やなんだ。


樹の言葉だけを信じていたいよ。




小さな紙袋が置かれていた空間を眺めながら、一生懸命そのことを思い出していた。


< 545 / 771 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop