朝が待てなくて

大きなタオルに身を包み、意を決してバスルームを出ると、部屋の電気はもう消されていた。


だけど真っ暗ではなく、窓ガラスに滲むネオンでほのかに明るい。


白とピンクと紫の光が順番に点滅して、その度に部屋の色合いが微妙に変化していく。




樹はもうベッドに入ってるみたい。


おわ、布団からはみ出た裸の胸が、白い光に今、照らし出された。




ドックンドックンドックン……。




顔は見えないけど、樹は両腕を頭の下に組んだまま……ん? 微動だにしない。


…………。




も、もしかして、寝てる?


そうだ、疲れてるって言ってたし。


あー、目つぶってる!




やっぱり全然動かない樹のベッドに近づきながら、プフ、と笑いがこみ上げてきた。


自分のド緊張ぶりを思うとおかしいけれど、わたしにはこんなオチが似合ってる気もする。


< 691 / 771 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop