朝が待てなくて

「別にお前の話なんかしてないから」


祐二さんがクスクス笑う。



「なーんか怪しいんだよな…」


「真琴ちゃんに聞かれたらヤバいこと、そんなにあんのか?」


「じゃないけど、祐二 話モるからやなんだよ」



ふてくされたように樹がそう言ったとき、信号が変わって彼はまた運転を再開した。





香美さんとアドレス交換出来て
それは嬉しかったな。へへ。





………


やっと家に着き「楽しかったね」って、それぞれお礼を言い合って車を降りる。


お父さんもしっかり目を覚まして、樹たちに「いつでも遊びにいらっしゃい」なんて笑って言っていた。


初めてナイスだ、お父さん。






不安げな顔してたのかな?


車を出す前に目が合って、樹は「またな」って、優しい眼をして笑ってくれたんだ。




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