終わらないよ
昼休み。
みんながご飯を食べて恋やらゲームやらの話で盛り上がるころ、俺は職員室に来ていたのだ。

『で、お前は本気で医者になる気があるのか?。』
明石は俺の方を見ながら右手には進路希望の紙を持っている。
学部は医学部と書かれた第一希望を見て明石は鼻で笑う。

『お前の成績で医学部いけたら、みんないけるわ!!。』
これだ。
2年の時もこいつが担任で、こいつは俺を目の敵にしている。
いつも、俺ばかりを怒る。

ある意味差別に違いのだろう。

『まぁ、いい。じっくり考える時間を与えてやる。』
俺が黙っていると明石の悪夢の話が終わる。

『ただし、ちょっとお前にはお使いを任せる。』
そう言うと先生は青色のクリアファイルを渡してきた。

『これを音楽室にいる音楽の先生に渡してこい。』
俺は早くこの場を立ち去りたかったのでクリアファイルを黙って受け取り職員室を出た。

腹が立つ。
何もかもに。
学校に着ても楽しいことなどない。
だから、やめたい。
だが、やめれない。

そんなジレンマに押しつぶされそうになりながら音楽室へと向かった。
近くにくると、綺麗なピアノの音色が聞こえてきた。

素人が聞いてもわかるうまい演奏である。


ちょっと音楽室のドアをひくと、女子がピアノを弾いていた。

すごいうまい。
だが、どこか悲しそうだった。
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