孤独な花と孤高の王子
「真琴ちゃんか?起きてるよ。…今日はよく晴れたね」
そう言ってまぶしそうに空を見つめた義父に、私もほっとした気分になった。
義父は母が亡くなったあとすぐガンの摘出手術を受けている。
そのせいかそれ以降体調を崩し気味になってしまい、今回検査入院をすることになったのだ。
「真琴ちゃん仕事は忙しくないのかい?毎日のようにここに来なくてもいいんだよ」
穏やかな口調につられて、私も笑いながら答える。
「大丈夫だよ。それよりも検査は全部終わったの?」