ラフ

朝の生出演のおかげで、犯人は名乗り出てくれたそうだ。
その話を聞いて、ほっとした。とりあえず、奈緒はこれで無事だろう。

正直、自分の軽率な行動が、ここまで深刻な事態を生み出すとは思っていなかった。･･･今まで、一度もなかったから。

少し落ち込んでいると、メールが来た。


【ありがとうございました。週末のデートで、何かお礼、させてください】


奈緒からのメールだ。
内容を見て泣けてきた。
俺が、奈緒に抱きついた。場所もわきまえず。
罵られてもおかしくないのに、ありがとうとあった。



･･･ほんとうに、泣けてきた。


返事を打とうと思ったら、また、もう一通のメールがきた。

「･･･親父？」

ひらいてみてみると、一言だけ、短く書かれていた。


【今夜、話がある】



何の話があるのかと、眉をひそめた。