だからキスして。
失望…それと怒り。

こんな人が母親なのかと思うと、ガッカリする。

こんな時でも自分の事ばかりなのね…

あたしは自分の中に怒りを感じながら
警察に話しを聴かれていたママのそばに行った。

「ママ」

「あっ、アオイ…!家が…家が火事になっちゃって…」

「知ってる…あたしが火をつけたんだもん」

「─────は…?」

あたしの発言に、ママと警察の人は目を見開いた。

「あたしが犯人よ。ママと、ママの男を殺してやりたいと思ったの。全部消したくなったの」

あたしは思っていた事を正直に、ママにぶちまけた。

何にも変わらないけど…それでよかった。

あたしは警察に連れて行かれる事になり、パトカーに乗せられようとした時

ずっと黙って見ていた先生が声をかけに来た。

「貴方は!?」

「その子の塾の講師です。ここまで付き添ってきたんです」

「…先生」

「立花ゴメンな、やっぱりオレは話しを聞くだけだったな」

「…いいの。先生の言った通り、話しただけでラクになった気がするよ」

「なら、よかった。また話し聞いてやるから…もう頑張らなくていいんだぞ」

「…うん…先生、ありがとう」

嫌われなくて
よかった。
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