あなたと出逢えて…
じゃぁ暇だし、改めて自己紹介しよっかな。
ついでに何であたしが、この樹雷高校に転校して来たのかも教えるね。
あたしの本当の名前は、鈴夲柚奈。
17歳で高校2年生。
実は、全国No.1の青龍の元総長。
あたしが小さい頃にね、
父親の会社が倒産しちゃて…それから両親がよくケンカするようになってね…。
小学生くらいかな?
両親がケンカするのを見るのに耐えきれなくなっちゃって、夜に家飛び出したんだ。
んでっ、
夜の街をぶらぶらしてたら、不良に絡まれちゃって……ちょっとヤバかったときに、助けてくれたのが唐澤壱星[カラザワイッセイ]。
あたしと同じで17歳の高校2年生。
壱星も過去にいろいろあったみたいで、話してるうちに意気投合して、それからは毎晩、家を抜け出して壱星と遊んでた。
壱星は顔が怖いから、よく不良に絡まれてたんだ。
でもあたしはケンカとか出来なかったから、壱星にたくさん教えてもらった。
意外に才能があったみたいで、どんどん強くなって…いつの間にか壱星よりも強くなって…。
そんなとき、壱星が言ったんだ。
俺らの居場所作ろうぜって…
それで、あたし達は青龍って言うチームを作ったんだ。
あたし達みたいな奴らにも居場所を作ってあげようって頑張ったら、どんどん仲間が増えて、いつの間にかNo.1になっちゃった。
それでね、
あたしは、家に帰らないで青龍の倉庫で寝泊まりしてたんだぁ。
両親がケンカしてる家になんて、あたしの居場所はないから…。
でも、それでも良かったんだ。
青龍のみんなが、青龍と言うチームがあたしの居場所だから。
あたしは、それで幸せだった。
…………でも、そんな幸せも長くは続かなかった。