魔法の戦士《bellator》
放課後


廃工場

「ここか?」

幸大が言う。

「はい。」

奈々の身体が震えていた。

「ちょっと、そんな堂々と、危ないわよ?」

委員長が言う。

「そもそも何で委員長がついてきてんだ?」

「良いじゃない、べつに。」

「素直じゃないわね。」

テナが言う。


ザッ、

人間の男が出てくる。

「何だ?」

男が言う。

「鬼退治だ。

意味、わかるだろ?」


「…。

ガキ、喋ったな?」

「…。」

「待ってろ。」




しばらくして男たちが6人。

手足を縛られ口にガムテープが貼られた人質が2人。

「あれが、お前の両親だな?」

「はい…」

「鬼退治、つまり我々の正体を知っているんだな?」

「ああ。

だから、本当の姿になりやがれ。」


ザワッ、


男たちは異形の姿、鬼へと変わった。


「お前を殺したあとは…ガキ、お前の前でこの2人を殺してやるからな。」

鬼が言う。

「その前に、お前らを退治してやるよ。」

幸大が言う。


「それは楽しみだな!!」


鬼の一人が襲いかかる。

「オブヴィウス《迎え撃つ》」

バチンッ、

魔方陣が現れ、鬼が弾かれた。

その魔方陣が幸大を通過し幸大の服装が変わる。


「な!?

何だ、貴様!」

「魔法の戦士《マギア・ベラトーラ》だ。」

「よくわからんが、手加減はしないぞ!!」

一斉に襲いかかる。

「ハスタ《槍》」


魔方陣が現れ、そこから槍を取り出す。

ブンッ、

「チッ、

何だ、ありゃ?」

鬼たちは幸大の魔法に戸惑う。
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