BlackLove

「龍哉には、会ったのか?」


その質問、ちょっと苦しい。
龍哉の名前、出せないでほしかった。



「会ってやれよ。親みたいに、心配してるから。」


龍哉、いつもあたしの親みたいだったなぁ。
優しいときもあるけど、
怒ったら本当に怖くて。


「まぁ、この病院に龍哉、来るだろうけど。」


・・・・・まだダメだよ。

あたし、完璧になってるわけじゃない。



「まぁ、いつでもここに来い。それに、俺、まだあの家に住んでるからよ。」


「うん。」


さすがだなって思った。

さすが、姉貴が好きになった男だなって思った。
すごく心が落ち着く場所だった。



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