HOPE
「まるで昔の私を見てるみたいだ。胸とか」
「え!?」
私の視線は、真っ直ぐに彼女の膨らみのある胸部へ行っていた。
「私も……そんな風になれますか?」
「ああ、大丈夫。一年生の頃の私の悩みは、乳が小さい事だったんだから」
「へぇ」
昔の琴峰先輩。
この人も、部活内で私の様な境遇にいたのだろうか。
「あの……どうして、聞かないんですか?」
「何を?」
キョトンとした顔をして、聞き返された。
「だって、あんな濡れた格好で街にいて、部活をサボったなんて……」
「だから?」
「……」
僅かな沈黙が生まれる。
黙り込む私に、琴峰先輩は励ます様に言った。
「私は、何も気にしない。でも、何か悩みがあるなら言って欲しいな。私で良ければ、力になるから」
「……」
「ちょっと! どうしたの?」
先輩は、私の顔を見て驚いている。
「あの……私の顔に何か付いてますか?」
「いや……だって、涙が出てる」
「え?」
頬を触ると、温かい涙が流れていた。
「あ、えっと……ごめんなさい。なんか……私……」
慌てて涙を拭う私を、琴峰先輩は優しく抱き締めた。
彼女の柔らかく温かい胸部が、私の顔面に当たる。
「琴峰先輩……」
「由佳でいいよ」
「由佳先輩……」
「何?」
「聞いてください。私の悩みを……」
私は由佳先輩に全てを打ち明けた。
バスケ部での私に対する虐め。
これから私は、この部活でやっていけるのだろうか。
「じゃあ、私も一緒に部活へ行くよ」
必死に訴える私に、由佳先輩はそう言ってくれた。
空はすっかり暗くなっている。
一人だけの帰り道、どうしてか足取りが軽かった。
「え!?」
私の視線は、真っ直ぐに彼女の膨らみのある胸部へ行っていた。
「私も……そんな風になれますか?」
「ああ、大丈夫。一年生の頃の私の悩みは、乳が小さい事だったんだから」
「へぇ」
昔の琴峰先輩。
この人も、部活内で私の様な境遇にいたのだろうか。
「あの……どうして、聞かないんですか?」
「何を?」
キョトンとした顔をして、聞き返された。
「だって、あんな濡れた格好で街にいて、部活をサボったなんて……」
「だから?」
「……」
僅かな沈黙が生まれる。
黙り込む私に、琴峰先輩は励ます様に言った。
「私は、何も気にしない。でも、何か悩みがあるなら言って欲しいな。私で良ければ、力になるから」
「……」
「ちょっと! どうしたの?」
先輩は、私の顔を見て驚いている。
「あの……私の顔に何か付いてますか?」
「いや……だって、涙が出てる」
「え?」
頬を触ると、温かい涙が流れていた。
「あ、えっと……ごめんなさい。なんか……私……」
慌てて涙を拭う私を、琴峰先輩は優しく抱き締めた。
彼女の柔らかく温かい胸部が、私の顔面に当たる。
「琴峰先輩……」
「由佳でいいよ」
「由佳先輩……」
「何?」
「聞いてください。私の悩みを……」
私は由佳先輩に全てを打ち明けた。
バスケ部での私に対する虐め。
これから私は、この部活でやっていけるのだろうか。
「じゃあ、私も一緒に部活へ行くよ」
必死に訴える私に、由佳先輩はそう言ってくれた。
空はすっかり暗くなっている。
一人だけの帰り道、どうしてか足取りが軽かった。