Last Valentine
2、3回道に迷った。
結局着くのがだいぶ遅くなった。

ナギサの家はとんでもなくでかかった。
3階建て。
ガレージに国産の高級車が二台。
墨で書かれた藍原の表札にビビる。
インターフォンについてるカメラにまたビビる。

…メール。
入っていい?

『いいよ♪』

手震えてるし。
心臓バクバクだし。
俺マジチキン。

もうどうにでもなれ。
お邪魔します。

玄関……広ッ。

廊下……長ッ。

『こっちこっち♪』

吹き抜けの2階からナギサが顔をだす。
とりあえず靴をキレイに揃えて2階へ。
女の家に来るって想像以上に恥ずかしい。
ここはここで場違い。


ナギサの部屋はキレイに片付いていた。
壁も床も真っ白な部屋。
多分10畳くらいある。
汚いなんてあれは絶対ウソ。
ナギサの髪は濡れていた。
多分風呂入ったばかりだったんだろう。
でもうっすらと化粧をしている。
なるほど。
女の子は大変だ。
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