内緒の保健室
『…え!?』
篠沢享也がいない、1人の廊下であたしは、ポカンとしていた。

「何してんの?」
後ろから聞きなれた声が。
『蓮斗っ…』
「なんで廊下に突っ立ってんの?後ろから見たら明らか変人」
蓮斗は、意地悪く口角をあげると、スタスタ歩いて行った。
『ちょっとー…待ってよっ』
すかさず追い掛けようとする。
「つか今日、護衛は俺じゃないから着いてきても意味ないし」
…え。
「男のクラスに行きたいなら話は別だけど」
それだけ言うと蓮斗は、背を向けたままあたしに手を振って、階段をのぼっていった。
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