内緒の保健室



「………」
「………」
「………」
『………』
蓮斗、奏太くん、砂紀さん、あたし…
みんな黙り込む。

とりあえず、外には出たけれど。
「…みなさん。迷惑かけてすいませんでした」
いきなり砂紀さんが話す。

「あたし…もうダメかと思ってました。このまま一生、あの時の罪、背負って歩いていくんだ…って。でもそんな時、今の彼が言ったんです。“お前は本当に諦めていいのか”って。なんだか、その言葉に深く考えさせられて…。今日を決意しました。蓮斗さんや奏太さん、それから唯さんに会えてよかった…。ありがとうございました」

最後におじぎまで加えられた。

「わかったなら、それでいいんじゃねーの?お前はちゃんと、今の男、大事にしとけよ」

蓮斗が優しく笑った。

「そうだよー!」
奏太くんも。

だからやっぱりあたしも。
『そうですよ。頑張って下さい』
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