【短編】失った温もり
胃が焼けるような一杯
胃が焼けるような思いがした。
まるで初めてウォッカをストレートで飲んだときのように、喉は水に飢えて渇き、胃はキリキリと痛んだ。


少し苦しい気に笑顔を携えた彼女は、退職願と供に結婚式の招待状を持っていた。


「お世話になりました」


他に言葉はなかった。
もう、二人の間に言葉は要らないんだと思い知った瞬間。


淡い期待を持っていた自分に気付く。


愚かな考えだ。
自分からその手を離したのに。

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