超現象管理人 パイロキネシス編
通されたのは8畳くらいにバス、トイレ付きの部屋だった。

「…俺、もっと小さい部屋でいいよ」
と真が言うが佳伊はにっこり微笑んで、
「遠慮することないよ。」と言った。

真が荷物を出すのを見てから
「終わったらさっきの部屋に来て。場所わかる?」
「わかる。終わったら行く」
その答えを聞いて佳伊は部屋を出て行った。

家具は全部揃っていた。
机の上に母達と撮った写真を大事に置いた。
「ここが新しい場所だよ、母さん」
ぽつりと言った。
広い部屋だと寂しく感じる。
施設は子供の笑い声が絶えなかった。
今、何も音がしない。
真は敵をとらないと。と部屋を出て佳伊の部屋へと向った。

大きな白いドアをノックする。
「は〜い」
呑気な佳伊の返事を聞いてドアを開ける。
するとそこには2人の男女が立っていた。

「真君、こちらが弟の羅我。霊能力者だ。で、こちらがまこと。テレパスと予知専門だよ。」
羅我は大人しい感じを受ける。まことは同世代のようだが、髪はショートで男に見える。
「…どうも」
真はそう言ってぺこりと頭をさげた。
2人も頭をさげた。

「なんて呼べばいい?」
佳伊の方を見て聞いた。すると羅我とまことが「佳伊様と」と言った。
「俺は真君じゃなくて柳って呼んで欲しい」
母との唯一のつながりだ。
「わかった。」
佳伊は承諾した。
「君たちは好きな呼び方で呼び合えばいいね」
にこにこと佳伊は言った。
3人は顔を見合わせ「はい」と言った。


佳伊は表情を変えて言った。
「さて、天使の情報だけど。」
本題に入って柳は緊張する。
「まこと次に現れる場所は分るか?」
まことはいいずらそうに
「まだ分りません。申し訳ありません」
と言った。
「そっか…」
言いながら爪を噛んだ。
「天使って何人くらいいるの?」
と柳が問うと、まことが肘でつっついて「いるんでしょうか?だよ」と言った。
「ざっと見積もっても20人はいるかな」
佳伊は続ける。
「20人……」
「柳が入ったから対応出来る人数かな」
「え……そんなに期待されても」と言うと佳伊はにっこり微笑んだ。
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