【完】ラブ☆パワー全開



「ねぇ、仁?」



運転する真剣な仁の横顔にドキドキしながらも、
普段間近で凝視なんて出来ないから目を逸らさないで見つめる。



「今日、バイトだったんじゃないの?」

「あ~、うん……大丈夫かな?」



言葉を濁した仁の顔が少し赤い気がした。

前の車のブレーキランプが反射してるだけ?



「そっか」



あんまり聞いちゃ駄目な事なのかな?


赤信号で止まった仁があたしを見つめて



「綾さん、まだ何か言いたかったんやろ?」



そう優しく聞いてくれる。



やっぱり仁には、隠し事は出来ない。


でも、さっき言いたくなさそうだったし。

聞かない方がいいのかな……って思ってさ。



「ううん、本当何でもないよ?」



その瞬間、信号が青に変わり仁は再び前を向いて運転し始めた。



< 170 / 370 >

この作品をシェア

pagetop