【完】ラブ☆パワー全開



「……そろそろ千恵迎えに行かなきゃ」

「え? うわ。もう、そんな時間か」

「うん。仁は、まだすること残ってるんでしょう?」

「そうやねん。この後、打ち上げもあるみたいやし」

「そか。なら、あたし行くね」

「ん。また連絡するな」

「うん♪」



大丈夫。

あたし笑顔作れた。

ちゃんと笑えたはず。



あたしの心の中で溜まった想いは仁に気付かれてないと思う。

気付かれたくないもん、こんな想い。



嫉妬で埋め尽くされた、
あたしになんて気付かないで欲しい。

今のあたしの顔は、
すごく醜くて不細工だと思うから。



仁は礼子ちゃんの気持ちに気付いていない。

それじゃあ、あたしは何て言えばいいの?

今何か言えば、仁から友達を奪うだけじゃない。



そんなこと言ったら、仁はあたしを嫌な女だと思うでしょう。



だから、言えないよ……。




< 206 / 370 >

この作品をシェア

pagetop