【完】ラブ☆パワー全開
「何で念入りなん?」
「へ!? あ、ほら! デ、デートだし」
体を後ろに下げてみるものの、
下げた分だけ近付く仁。
首に触れられた手から、
全身が一気に熱くなる。
「俺とのデート楽しみにしてくれたんや?」
「は、ははははいっ!!」
そんなの当たり前だけど、
近い。近いよ。近過ぎるよ、仁!
「ぶはっ! 綾さん、落ち着いてぇや」
呼吸の仕方すら忘れそうになった、
あたしを笑いながら仁が離れた。
両頬に手を当て真っ赤であろう顔と、
ドキドキと大きな音を立てる心臓を落ち着かせようと努力する。
もう!
仁がドキドキさせてるくせにっ。
「仁の意地悪!」
そう言って、
離れてしまった仁の腕に手を絡めた。
「え? ちょ、綾さん?」
今度は仁が焦ったみたいで。
あたしばっかりドキドキさせた仁が悪いんだもんねー。
と、ちょっとした意地悪。
「仁、顔赤くない?」
ニヤニヤしながら聞いてやるんだから。
「……はあー。やっぱ綾さんには敵わへんわ」
素直に負けを認める仁も可愛くて、
あたしはギューっと力を込めた。