【完】ラブ☆パワー全開
「ほら、山北飲みな!」
さっき、綾乃ちゃんの彼氏に謝った。
少し意地悪な俺が登場しちゃったんだけど。
それに彼氏は必死になる。
この意地悪は大人だからだったわけじゃない。
多分、俺の素直に出せない本当の気持ち。
仲良くする2人に対する意地悪。
「ほーら、いつまでもしょぼくれない!」
そう目の前でビール瓶片手に、俺に説教するのは千恵。
綾乃ちゃんの友達だ。
さっきも千恵が止められた。
「山北、もう邪魔しちゃ駄目んだからね?」
「わかってるよ」
キッと俺を睨んだ後、にこっと笑って
「綾乃には仁しか見えてないんだから」
わかってるセリフを呟く。