君の魔法がとける瞬間(とき)

大きな決断



あの日を境に、私は風邪だと嘘をついて学校を休んだ。



みんなからの電話や、メールも…すべて無視をした。

碧空さんに、どんなに部屋に入れろと言われても…入れなかった。




きっと…荷造りをしている私の部屋を見たら…変に思うから。




私の部屋には、みんなと撮った写真や…


プレゼントに貰ったモノ…


バンドフェスティバルで優勝した時に貰ったトロフィー。



「お前のおかげで優勝できたから」って言ってくれて…私がトロフィーを受け取ったんだよね。




思い出が多過ぎて…


全部は持っていけないや…。



涙とともに…思い出も、置いていかなくちゃ。



コンコン―――


部屋をノックする音が聞こえた。



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