Blood
黒い悪魔
 あ~、頭痛い。

 ここは、何処にでもあるごく一般的な中学校である。そしてその中学校にいるごく一般的な中学生が彼女である。

 「ギャァァァァァァァァl!!!!!!!!!!」

 そう、彼女。この冒頭から叫びまくっている彼女こそがこの物語のヒロインなのである。名前は銀鏡 桜(しろみ さくら)。ショートヘアーの、眼鏡だ。

 「テメェこの豚野郎!テストで80点が悪いなんざ呆けた事吐かしてんじゃ無ぇぞ!コレは上限が1000点なのかオイ、え!?」

 桜に罵声を浴びせているのは黒鉄 晴綺(くろがね はるき)。中性的でゴツい名前だが性別は雌・・・。女だ。

 「だ、待って待って!!」

 「待たねぇ」

 「ミーティング始めまーす」

 「チッ・・・」

 ミーティングとは。この2人が所属しているのは吹奏楽部。部員全員(たまに揃わない)で集まって合奏等の時間を決めるのである。

 「では、別れて練習して下さい」

 部長の合図で皆一斉に散らばる。

 かと、思いきや。

 凄くダラダラしている。他の学校の奴等が見たら怒ると思う。まぁそれはさておき。

 「今日さ、テストどうだった豚?」

 「豚じゃないって・・・。まぁまぁかな・・・」

 「お前のまぁまぁは当てにならん」

 今日は学期末実力テスト最終日だ。テスト期間やテスト前はより勉学に励むよう部活動は停止しているのである。最終日のため今日からまた開始なのだ。

 桜は頭が良い。本人に行言ったら謙遜するだろうが、なにせ英語科のテストで100点をとった事もあるしな。本当、

 「うざい」

 「いきなり!?」

 どうやら自分と晴綺は馬が合うらしい。
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