Blood
 「先輩の好きな色って何ですか?」

 晴綺が急にこんな質問を繰り出してきた。

 「え、っと・・・。ピンクかな?」

 「ヤダ先輩可愛い!!やっぱ銀鏡とは違うなぁ~」

 桜と比べるのか。

 この思考回路がとても可愛らしいお方は美歩 桃香(みほ ももか)。3年生の、所謂先輩ってやつである。因みに桜達は2年。丁度挟み撃ちに遇っている感じだ。

 「銀鏡さんは?」

 「私は黄緑「水色です」

 「ちょい!」

 勝手に決めやがったぞコイツ。なら晴綺の好きな色は水色なのかと思いきや

 「黒。あと銀」

 だ、そうだ。





 「取りあえず、曲練しよっか」

 合奏曲の練習をする。因みに合奏曲は夏休みにあるコンクールで吹く曲だ。確か・・・。課題曲が「南風のマーチ」、自由曲が「アルヴァマー序曲」だったかな?

 早速準備にかかる。桜の受けもっている楽器はティンパニだ。解らない人はお父さんやお母さんに聞いてみよう。

 さて、ティンパニにはチューニングと呼ばれる調律が必要だ。これがまた遅くてな、桜は。そんなもたついてると時間がどんどんなくなってくぞー。

 「今日って合奏あったっけ?」

 「書いてあんだろ馬鹿」

 音楽室の黒板(に貼ってあるホワイトボード)には合奏の有無や時間が書いてある。今日は無いらしい。



 「今日はこれで終わります。ありがとうございました」

 終了の号令。皆帰宅を始める。
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