白狼が恋した天女
「藍、ちょっと良いか〜」

休憩中に私を呼んだ兄は

「今日面白い奴が内のクラスに来てさ
偶然席が近くなって話かけたらさ

『あの子は天女か』って言い出してさ

事情聞いたらお前っぽいから連れてきたんだ

美少女で白髪と金眼で
大人っぽい落ちついた雰囲気で神社の娘はお前だけだからな」

我が兄ながらマシンガントーク

「兄様、落ち着いてください

確かに特徴は似ていますが美少女とかは兄様が勝手に付け足したのでしょう」

「何だよ
藍は美少女だろ!
お前ほど美しく愛らしい女はいないから

あ、俺の彼女も綺麗ではあるがあいつは凛々しいかんじだし

兄の欲目なしで美少女だ」

絶対嘘だと思うが

「用事は?」

「スーパードライだな

そいつさ、少し変わっていてさ

一見委員長風なのにさ
じつは黒のカラコンしてて

『なんでカラコンに黒染めなんだ?』って、きいたら

目の色が緋で髪も白らしい」

それはまた…

「白狼そっくりな」

「だから連れて来たんだ
ほら、あの場所に行ったらそいつさ『懐かしい』とか言い出してさ

そしたら全く雰囲気が「会いたい」

はぁ?どうしたんだ

えっ、ちょっと」

兄を無視して走り出していた

禁足地に当たる天女と白狼の出会いの場所に急ぐ
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