ゆびきり
三章 再会の約束
それから私は、本当に毎日のように、詠士の出店により、帰りに倫子の夜カフェへ寄ることが習慣になった。







夜カフェの名前は『リース』







由来は、客に詩人が多いため、言ノ葉を輪にする、そんなイメージでリースと名付けたらしい。






本当はバーを経営したかったらしいが、詠士たちがまだ未成年。お酒を扱う店では集まれない。そのため今は夜カフェで頑張っているらしい。






そして、真斗とも初めて会えた。詠士とは違い、私と同じで高校卒業後に真面目に会社務めをしてるらしい。







話していると、見た目はスーツを着せられてる若者、って感じで、幼さが抜けない雰囲気があった。







でも、とても気が利く、優しい人だ。








「でも、本当に珍しいよな。詠士が女をここに連れてくるなんてさ」







この日は、たまたま私一人で、先にリースに来ていた。







女の客が詠士の側に居るときは、いつもそうだった。






私が必要以上に一緒にいると、女が嫉妬し、危険だと言われた。








確かに、執着心の強い女も中にいる。








見てるだけで、なんとなく、性格がよめた。







< 43 / 309 >

この作品をシェア

pagetop