エリートな彼は溺愛を隠さない
…ここまで散々、奴の悪口を言ってきたが、俺は別に夏哉が嫌いな訳ではない。

むしろ、親友とでも言った方が俺達の関係はしっくりくる。

俺や、営業部の連中が今日の合コンに夏哉を連れて行きたくない理由。

それは、そう。
女が全員、夏哉に惚れるから。


――「ねえ、夏哉くん、本当に彼女はいないの?」

「うん」

「じゃあさ、今日のこの中では誰が一番タイプなの?」

「うーん…」

「言いにくいわよね、そんなの。
夏哉くんの家はどこ?会社から近いの?」

「うん」

「あ、それよりねー、……」


………。
おい。…何なんだよ、この展開は。


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