エリートな彼は溺愛を隠さない
「え」

「今夜俺の部屋に来て。
朝まで一緒にいたい」

「えっ…」

綾芽の顔から笑みが消える。
嫌、なのかな、やっぱ。

「そんな、早すぎるわ…。私達、まだ…」

おろおろと視線を逸らす彼女の手を取り、屈んで目線を合わせる。

「俺は綾芽の言う通り、綾芽に、…本気になりかけてる。
自分が、どうなるのか知りたいんだ」

「な…夏哉」

綾芽は驚いた顔をして俺を見ていたが、やがてコクリと頷いた。


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