エリートな彼は溺愛を隠さない
「りっ…莉乃っ!」

夏哉が批判めいた顔で彼女を睨んだ。

彼女はそんな夏哉に動じた素振りも見せずにこちらを見ながら彼の胸に顔をすり寄せる。

「………」

私は今、目の前で起こっている事が他人事であるかのように、ただ動けずにいた。

「莉乃やめろ」

夏哉が彼女を振り払い、裸足のまま玄関を越えて私の目の前にやってきた。

「………」

私は取り乱したり、涙が出てきたり、彼を責めたりする訳でもなく、ただ、ぼんやりとする。



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