砂漠に堕ちた天使 番外編
オシュプも傍へやってきて信じられない顔になった。



「生きているのか?」



「わ、わからないわ……どうしてこんなところに……?」



周りを見てもこの少女だけで、誰もいない。



オシュプは少女の脇に膝を付くと、手首から脈を取ろうとした。



「生きているぞ」



「早く荷台へ運んでよ!お姫様かもしれないわ」



オシュプは少女の身体を抱き上げて荷台へ連れて行った。



荷台へ降ろすなり、団員たちは興味津々で少女を囲む。



「見た所、ケガはないようだけど、どうして砂漠にいたのかしら……」



ファラウラは少女の頬を軽く叩いてみる。



「水をあげてみたら?」



ファラウラの横から言うのは同じ踊り子のセリナだ。



「そうね、きっと脱水症状になっているのかも」



上半身を少し起こすと、羊の皮の水筒の口を少女の口に当てる。



水は少女の口に入っていく。



そして喉を通っていくのがわかった。



「飲んだわ!」



セリナが喜びの声を上げると、少女の目が開いた。

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